SoftBankのWi-Fiスポット政策は誤りではないと思う

整備方法さえ除けば、の話ですが。

先に行っておきますが、別にSoftBankを擁護するつもりはありません。

あと、私は専門家ではなくただの一ユーザですので、技術的なところは怪しいです。


最近、docomoで目立った通信障害が多いですね。

無論、SoftBankでも起こっているわけですが、総務省に報告しなければならない、報道しなければならないほど大問題化する前に片付けちゃうわけで、ユーザとしてはそこまで起きてないように思えるわけです。

その点はこの記事を読めば分かるかと思います。

"通信事業における障害に対する考え方について - 無線にゃん"

 

ところで通信障害といえば、最近はスマートフォン普及でトラフィックが急増し、捌ききれなくなって輻輳が起きる、というパターンが続いています。

私も7月下旬から8月頭にかけて東京に2週間ほど居たわけですが、毎朝品川駅でKDDIの3G回線が使えない(輻輳でパケットが流れない)状態を体感してきました。

私は都民ではないのであまり大規模な輻輳に見まわれたことはなく、他には大阪・梅田駅の各路線間の通路がクロスしたところで輻輳に巻き込まれた程度しか経験していません。

なので以前の状況をよく知らないです。

しかし、現状から考えてSoftBankのオフロード政策は間違っているわけではなかったのかな、と思います。

 

SoftBankは2010年春モデルからケータイWi-Fiといった形で無線LANへのオフロード政策を初めました(間違ってるかも)。

その当時、iPhone 3G/3GSが売れ、元々弱いSoftBankの3G回線は既に逼迫してたようです。

この政策はもちろん、通信事業者としては"逃げ"であることは変わりません。

しかし、そもそもスマートフォントラフィックW-CDMA(UMTS)で捌けるかといえば無理でしょう。

それは、今docomoが必死にLTE(Xi)を整備したりしていることからよくわかることです。

LTEのほうが周波数利用効率上がってますからね。

では、"戦略的に逃げた"、と考えてみるのはどうでしょう。

 

"スマフォの通信量は斜め上過ぎて予測がつかない"ということをよく聞きます。

予測がつかず、結局システムがトラフィックに耐え切れず障害へと進展してしまう現状につながっているわけです。

ならば、それを3G以外の回線に流してしまえば、大規模な輻輳を回避できます。

実際、ユーザの減る夜間に輻輳が頻発しているわけではないですから、ある程度有効でであることは予測がつきます。

もちろん、携帯電話なので無線LANのような狭いカバーエリア、かつ音声通話のできない通信網に頼るのはもっての外ですが。

 

ところで、3.9G(今は4Gとも言います)であるLTE、ないしはその後継規格(LTE-Advanced?)がそのトラフィックを捌けるように、周波数利用効率を上げるなど発展してきているわけです。

このLTEを完璧に整備できるまでの橋渡しとして、Wi-Fiをオフロードとして敷くのは、やはり上手い考えなのではないかと思います。(本業の携帯通信網整備からは逃げてますので褒められませんけどね)

国際的にもそのような風潮はありますしね。


ただ、SoftBankはこのWi-Fiの整備方法に問題がありました。

これは各所で語られているとおり、

  • Wi-Fiスポットのばら撒き(エリアの設計がされていない、近隣APとの干渉など)
  • バックボーンがULTRA Wi-Fi(1.5GHz帯を用いたDC-HSDPA網)
  • 暗号化がなされていない
  • FON

など、様々ないい加減さが目立ちます。

ただし、暗号化問題は今0002softbankというAPで解決に向かっているようです。

 

SoftBankは確かグループ内でNTTから光回線を借りて、Yahoo! BB with フレッツというサービスをしているはずです。

その光回線を使ってバックボーンを整備し、2.4GHz帯でも干渉の少ないように出力を調整したりし、アクセスポイントをばら撒くのではなくきちんとエリア設計をしていれば、もっとうまくいったと思います。

実際、ユーザは通信速度が早いほうが喜びますし、使えればあまり文句は言わないので(逃げとか言うのは結局ギークやマニアだけ)、双方にメリットがあります。

他にも、iPhoneユーザの多いSoftBankであればWi-Fi接続にすることで大きいサイズのアプリがダウンロードできる、YouTubeの動画が綺麗に見れる、というユーザ側のメリットがあります。

そうやって餌を与えて客を釣る(オフロードする)、その格好のチャンスを逃しちゃったよなぁ、という印象がとても強いです。

(SoftBankのWi-Fiは遅いから使うな、といった印象が植え付けられつつあるので)


常識破りの得意なSoftBankだからこそ、一番初めにできたことだと思いますし、しっかりやれば今のような悲惨な事にはならなかったんじゃないかなぁ、と思ったので愚痴をこぼしておきます。

そのいい加減さもまたSoftBankらしいですけどね。

 

オチを付けるなら「Wi-Fi政策は間違ってはない。しかしWi-Fi(スポット)制作は間違いだった」といったところでしょうか。

 

ま、私はパケット通信は今年7月にSoftBankからKDDIに移しましたけどね。